転部・転学科の試験対策をしよう!
試験内容をよく確認する
基本的には筆記試験と面接を設けている大学が多いです。それに加えて、小論文、集団討論、グループディスカッション、グループワークなどを実施する大学もあるようです。
いずれにせよ試験日程と試験内容にはよく目を通しておきましょう。 今回はそのなかでも特に重要となる「筆記試験」、「作文・小論文試験」、「面接試験」の要点について書いていきたいと思います。
※転学部・転学科は大学ごとに制度が異なるため、必ず所属する大学の規定要項をご確認ください。
筆記試験への対策
筆記試験に関しては、これはもう勉強するしかありません。どういった試験かというと、基礎学力を測るものであったり、英語や数学といった特定の科目だったりと大学によって様々です。
もし先輩や知り合いに転部経験者が居たら、積極的に聞いておきましょう。とはいえ、別に居なくともガッカリする必要はありません。基本的には希望の学部・学科に入学するのに必要となる学力レベルの試験内容になるはずです。
一般入試で合格している人はさほど心配する必要はないでしょう(高偏差値の学部学科を除いて)。
しかし問題はAO入試や推薦入試といった筆記試験を受けずに入学している人達です。希望する学部学科に一般入試で受験しても合格できるだろう、というレベルまでは学力を上げていく気持ちで臨みましょう。
やはりどの学部・学科も「出来の悪い学生は受け入れたくない」というのが本音です。筆記試験は最低限クリアできるよう頑張るしかありません。
小論文・作文への対策
苦手という人は練習しておきましょう。
テーマが気になるところだと思いますが、これも大学によって様々です。転部・転学科に関わるようなテーマが出る場合もあれば、まったく関係のないテーマが出る場合もあります。
過去の傾向を調べておくと良いでしょう。過去の試験内容が公開されていない場合は基本的な文章を書く練習をして、志望動機をきっちり固めておきましょう。
また、時事系のテーマが出る場合に備えて新聞やニュースに目を通して、世の中で何が起こっているかぐらいは把握しておいた方がよいかと思います。
面接試験への対策
ここが最大のポイントと言っても過言ではありません。特に筆記や小論文・作文に自信が無いという人は、ここで目一杯アピールしましょう。最後にモノを言うのは面接での印象かもしれません。
聞かれることは大体想像がつくと思います。「志望動機」、「転部したら何を学びたいか」、「自己PR」あたりは鉄板なので準備は必須です。
また、いじわるな面接官(教授)になると「今の成績について」や「転学部を希望する理由は逃げなのではないのか」、「(志望動機は)本当のことなのか」といった厳しい追及をされることもあります。
例えそれが事実だとしても堂々としていましょう。核心をついた質問に動揺してしまうかもしれませんが、そこは頑張って耐えてください。
特にこれまで高校受験や大学受験などで面接に縁が無かった人は、ぶっつけ本番はかなり厳しいと思います。家族や友人などに面接の練習相手になって貰うと良いかもしれません。
それが難しいようならば大学の学生課などに相談してみましょう。大学にカウンセラーがいる場合には、そちらに相談してみるのも良いかもしれません。
転部・転学科をするための具体的な準備と方法
転部生の募集があるか確認する
転学部・転学科をしたいと思っても、希望の学部学科が転学部(転学科)の募集をしていなければ元も子もありません。
大学にもよりますが、その年によって受け入れをしたりしなかったりする学部学科もあるようです。その理由としては、「欠員(退学者)が出なかったため」「編入学者を優先的に受け入れるため」などなど。
早めに準備をすることは大切ですが、その前に必ずその年に希望の学部学科が転部生の受け入れを行うかどうかの確認をしておきましょう。
早めに準備をすることは大切ですが、その前に必ずその年に希望の学部学科が転部生の受け入れを行うかどうかの確認をしておきましょう。
出願条件の確認
取得単位数が条件を満たしているか確認する
多くの大学では、転学部・転学科試験を受ける際の条件として取得単位数を定めています。それに満たない場合、試験そのものを受験させてもらえない可能性が高いので、転学部・転学科の試験要項をよく確認しましょう。
もし取得単位が足りていない場合、出願までに取得するようにしましょう。その際、可能であれば希望する学部学科先の科目を履修することをお勧めします。そのメリットについては以下の記事でも書いています。
関連記事:転学部・転学科をした後の負担を減らす方法とは?
もちろん最優先すべきは規程の単位数を取得することですが、受験する学部学科の単位を取得しておけば面接の際のPR材料にもなりますし、後々の負担を減らすことにもつながります。
GPA(成績)が条件を満たしているか確認する
「GPA」、これも多くの大学で重要視されているものです。GPAとは、正しくはGrade Point Averageといって、アメリカ等の大学で導入されている成績評価システムのことです。
GPAを重視する大学の場合、おそらく成績表に掲載されているのではないでしょうか。GPAに関しては、大学ごとに計算方法が違うので一概に判断する事はできません。
ただ当然ですが、高いに越したことはありません。そして、このGPAの値が転部・転学科の要項に盛り込まれていた場合、それをクリアする必要があります。
心配な方は大学の学生課へ問い合わせてみましょう。そして、もし足りていなかった場合、今後の試験で最低限どれだけの成績を取らなければならないかを把握しましょう。
期限を厳守し、不備なく出願する
無事、転学部・転学科試験の出願要項を満たすことができたら、いよいよ出願です。言うまでもありませんが、出願期限は必須。できれば直接、窓口に提出するようにしましょう。
郵送でも受け付けている大学もありますが、郵送だと大学側から確認の連絡が来るまで無事に受理されたか心配になるかと思います。面倒臭がらずに直接提出することをお勧めします。
※転学部・転学科は大学ごとに制度が異なるため、必ず所属する大学の規定要項をご確認ください。
転部・転学科を考えた時、最初にするべき事とは?
最初にすべき事は周囲への相談
親(保護者)への相談
一部の学生を除き、多くの学生は親の援助を受けているかと思います。その場合、まず最初に相談すべき相手は親ということになります。
学費や生活費の援助を受けていて、かつ未成年であれば、まず親の理解が得られなければ転部・転学科を成功させることは難しくなります。
仮に親の援助を一切受けていないという場合であっても、何か特別な事情が無いかぎり親への相談と話を通しておくことをお勧めします。
転部・転学科試験に合格してから揉めることを避けるためにもこの辺はしっかりやっておきましょう。
所属する担当教授への相談
次に、ゼミや研究室に所属している学生は担当教授に相談されることをお薦めします。
特に最近の大学では1年生や2年生といった早い学年からゼミに所属させる大学も多いため、まず自身の担当教授へ相談してみると良いでしょう。
ゼミにも研究室にも所属しておらず、担当教授に該当する人物も居ないという場合は、自身が所属している学部学科の主任教授などに相談してみて下さい。
主任教授は、(一部を除いて)学部・学科の教授陣が持ち回りで選任されるケースが多いため、大学のHPや学科の事務室などで確認してみると良いでしょう。
他にも、友人や知人などに相談するのも良いですが、学科内であまり大声で触れ回るのはやめておきましょう。必ず成功するとは限らないのが転部・転学科です。
転部・転学科を反対された場合
親に反対されるケース
よくあるのが「親に反対された」というケースです。個人的に調べた限りでは、親御さん方が反対する主な理由として以下のようなものが見られました。
留年してしまうから
進級に必要な取得単位数が定められている大学は多いです。
例えば、年次での必修単位の取得が条件であったり、学部・学科ごとに進級に必要となる取得単位数が違っていたり、各々の大学で定められた規則があるかと思います。
そうした場合、例え今の学部・学科で優秀な成績を修めていたとしても、転部・転学科先では単位の関係で必ず留年が必要になるということがよくあります。
『留年しなければならない』ということに大きな抵抗を感じる親御さんは多いようです。
ネガティブな転部・転学科
正直な話、転部・転学科をしたい理由として最も多いのがこれではないでしょうか。
理由は様々でしょうが、多くの場合「今のままだと卒業できない」「講義についていけない」「人間関係のトラブル」などが多いかと思います。
こういったネガティブな動機が気に入らない、という親御さんも多いようです。
高学年での転部・転学科
3年生・4年生になってから転部・転学科をしたいという場合、かなり高い確率で反対されることと思います。
親御さんにしてみれば、「4年生まできて何を今更」という心境でしょう。ここまで来たのだからもう卒業して就職して欲しい、と思われるのは致し方ありません。
対処法
とにかく根気強い説得を試みましょう。
説得のテクニック例
- 志望動機などを熱意をもって説明する。向上心のある転部・転学科の場合はこれに勝るものはないでしょう。
- 「今のままだと卒業できない」、「大学を辞めることになる」など最悪の事態を考えてもらう。危機感を共有してもらうのもひとつの手でしょう。それに比べたら転部・転学科をした方がメリットが大きいと納得してもらえるように説得してみましょう。
- バイトなどで学費を自分で捻出する、金銭面での負担をかけない・軽減させるといった姿勢を見せてみる。金の問題ではないかもしれませんが、「そこまで言うなら…」と分かってもらえるかも知れません。
これらはあくまで説得の一例だと思って見ておいてください。
一番大切なことは転部・転学科をすることで今よりも絶対に良くなるという自信を持つことです。やると決めたのであれば「何がなんでも転部・転学科をする」という覚悟を決めましょう。
所属学部・学科の責任者に反対されるケース
この可能性は考えていなかった、という学生さんも多いのではないでしょうか。
確かに、転部・転学科は学生の自由であり権利です。条件を満たしているのに、それを引き止める権利は大学側にはありません。
しかし、所属学部(学科)の責任者という立場上、最初のうちは「よく考えるように」「考えなおしたらどうか」などと引き留められるかもしれません。
しかし、そこで短気になってはいけません。反対されても「私の自由だ」と突っぱねることもできるでしょう。
ただ、そんな言い方をされては向こうも良い気分はしないでしょうし、転部・転学科に関してのアドバイスや情報も聞きづらくなってしまいます。
逆に「この学生は熱意がある」と思ってもらえれば、相談に乗ってもらえたり、試験対策などにも協力してもらえるかもしれません。もちろん、それだけで合格するわけではありませんが、良好な関係を築いておくに越したことはありません。
ですので、もし学科の責任者などに反対(引き留め)された場合でも、親を説得するのと同様に根気強く話をしましょう。ただ、この場合の注意点として、マイナスな志望動機は言わないことをお勧めします。
「このままじゃ卒業できないから」「留年しそうだから」といったことは成績を見れば大体察しがつきます。それをそのまま伝えるのではなく、なるべくポジティブな動機を伝えるようにしましょう。
転部・転学科とは何か?
「転部」と「転学科」とは?
本サイトでは、転部・転学科を以下のように定義しています。
転部
大学教育機関等において、所属学部を移ることを指します。
例:理工学部⇒経済学部
転学科
大学教育機関等において、所属学科を移ることを指します。
例:理工学部“機械工学科”⇒理工学部“電子工学科”
なお、学部を移動した場合、必然的に「学科」も移ることになると思います。その場合、正確には「転学部転学科」となります。
ただし、全ての大学教育機関等がこの定義に該当する訳ではありません。
上記以外にも、通信教育過程や2部過程(夜間)などを設置している大学では、「転籍」という制度があります。これは、通信教育過程から通学過程、2部過程(夜間)から1部過程(昼間)などに籍を移すことを言います。
当サイトでは転部・転学科に主軸を置いていますが、転籍などを行う場合においても、お役に立てる情報があるかもしれません。色々な方に参考にして頂けたら幸いです。